住 職 日 記
平成17年 1月分

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■2005/1/31(月) お坊さんのひとつの仕事にお葬式があります
お葬式がありました。以前に一緒に四国八十八ヶ所霊場を巡礼した檀家さんでした。大変まじめな方で、お家にお参りに行かせて頂くと必ず一緒にお経を唱えられました。年を重ねていくと、親しくさせていただいていた方との別れをしなくてはなりません。特に幼少の頃から可愛がって頂いていた方との別れは辛いものです。お坊さんの仕事(?)のひとつにお葬式があります。引導を渡すわけですから、しっかりとした気持ちをもっておかなけれはなりません。感情に流されていては引導は渡せません。だけど辛いですよね・・・
またひとり、大切な方を失ってしまいました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

明日から二月です。気合を入れなおして頑張りましょう!!

■2005/1/30(日) ワンクリ詐欺・・・
法事などで一日中多忙でした。また、日曜日ということもあってかお寺にも大勢の方が参拝されて、お寺も賑やかでした。もはや一月も残すところ僅かとなってしまいました。一月は行く・二月は逃げる・三月は去る と昔から言われているように、月日の経つのは早いものだと思います。

“俺 俺 詐欺”ならぬ“ワンクリ詐欺”が新たな詐欺の手口として発覚したとのニュースを見ました。サイトに入っただけで請求されるというもの。“ワン クリック詐欺”ということなのでしょうか・・それにしても次から次へとよく考えますね。

きょうは昨日なくなられた檀家さんのお通夜でした。大変良い人であっただけに辛いお通夜となりました。謹んでお悔やみ申し上げます。

■2005/1/29(土) 継続は力!
本日の檀務はお寺での回向一件のみ。月参り・法事などはなく寺務所で星祭りの準備をしていました。今年は時間に余裕をもって早い目から準備をしていたのでいい具合にすすんでいます。
夕方、お寺でのご回向の方が来られました。この人はまだ若い方なのですが、毎年お寺に来られて先祖の供養をされます。実はこの方、現役のプロボクサーなのです。もう3年ほど続けて来られてますか・・・
現役のボクサーなので年齢も20代だと思います。
「若いのに・・・」
とお思いでしょうが、若くてもご先祖さまを大切に思う心を忘れず、続けて供養をする気持ちを持っておられることはすごく尊いことだと思います。
“継続は力”といいますが、この先祖供養が何事にも良い結果を生むことにつながればいいのになと思っています。なかなかできないことだと思います。

2月26日に大阪府立体育館でボクシングの試合があるそうです。
「一度見に来てください」
との彼のお誘いを受けました。社交辞令だとは思いますが、本気で見に行こうかなと思っています。ボクシングをはじめとする格闘技はテレビでよく見ますが、直接見たことがないので、彼の応援も兼ねて出かけてみようかなと思いました。

檀家さんから連絡があり、ご主人さんがお亡くなりになられたとのこと。枕経に行かせてて頂ました。一緒に四国参りなどをした方で、色々と思い出のある方でした。やさしくしていただいていたのに、残念です。

■2005/1/28(金) まじめにコツコツと
28日は不動明王のご縁日。今月は1月なので初不動の日です。鷲林寺では初不動として特別な行事は行っていませんが、本日も護摩を焚きました。きょうはお不動さんの日ということで特に一心に拝ませていただきました。
毎朝護摩堂に入りますが、このところの朝の気温がお堂の中で4℃でした。が、きょうは5℃でした。えらいもので1℃違うだけで温かく感じました。しかし、天気予報によると二月に入ると大寒波がやってくるとのこと。大晦日の時のように陸の孤島とならないように祈るばかりです。

きょうも檀務等で一日中バタバタしていました。しかしながら、お参りに行かせていただくお家ではいつも笑顔で迎えていただけるのでありがたいことだと感謝しております。皆さまの大切なご先祖さまのご供養です。初心忘れることなく一生懸命拝ませていただきたいと心がけています。

初心を忘れていただきたくないのが、今世間を騒がせているNHK。海老沢氏が会長を辞任したかと思えばすぐに顧問に就任したとのこと。名言を連発しての辞任会見はまるでどこかのヒーロー気取りに見えたのは私だけでしょうか。辞任会見最後の言葉が
「気力、体力とも十分残っているので今後も日本のために役立ちたい」
だったので、何か事が起こるのかなと思いきや、すぐに返り咲き・・・こんなことが許される世の中なのかな・・・??? と頭をかしげました。また、全職員に激励メールを送ったとのこと・・・少しふざけているように思いました。
顧問に就任するやいなや、抗議が殺到したということでまたまた顧問を辞任・・・
何ともぶさいくなお話です。初心を忘れず一生懸命やっておられれば、こんなことにはならなかったでしょうに・・・自分におごる慢心がこのような結果を招いたのでしょう。謙虚な気持ちで、ゆっくりでいい。まじめにコツコツと生きることが大切だという教訓のひとつだと思いました。

■2005/1/27(木) 当たり前の生活に感謝
法事などがあり多忙でした。役僧さんお休みのため一人で頑張っています。役僧さんがお寺に来てくれて、今まで一人でやっていた分、負担が軽くなりました。それに甘えていたことも事実だと思います。役僧さんが来てくれた当初はすごく楽になったな〜と思い感謝の日々でした。しかし、人間慣れというものは恐いもので、知らず知らずのうちにその環境に慣れてしまうのですね。時間が経過すればするほどそれほど楽だとは思わなくなり、当たり前と思ってしまうのです。いざ、元に戻ったときにそのありがたさが身にしみてわかるものです。
当たり前ということがどれほど尊いことかということを改めて考えました。私たちは二本の足で立っています。ご飯を箸やスプーンを使って食べてます。人と自由に話すことができます。この当たり前の生活を当たり前と思って日々生活しているのが現状でしょう。しかし、この当たり前の日常生活ができなくなったとしたらどうでしょうか。
私は大学一年生の時に、脳の中にウィルスが入るという奇病にかかり、意識不明の状態が40日も続きました。おかげさまで九死に一生を得ることができましたが、脳の中にウィルスが入ったのですから体全体が麻痺してしまい、歩くこともできないし食事をすることもできない。もちろんしゃべることもできませんでした。徐々に回復するにあたりリハビリをすることになりました。リハビリをする場所には色々な病気と闘っている人たちが大勢おられました。そんな中で私も頑張って歩く稽古をしました。しゃべる稽古をしました。一人で食事ができるように努力をしました。当たり前と思っていたことができなくなったとき、大きなショックを受けたのと同時に、すべてのことに感謝しなければならないな〜としみじみ思ったものです。
あれから20数年経過しました。毎日当たり前の生活をさせていただいている中、あの頃のことを忘れてしまっている自分自身を反省しています。当たり前の生活に感謝して日々を送らせていただきたいなと思っています。

■2005/1/26(水) 友人の来坊
檀務を終えて寺務所で仕事をしていると一人の男性が近づいてこられました。誰かな・・・?? と思うと、泉佐野市のお寺のご住職でした。きょうは有馬温泉で会合があって、近くを通ったので寄ったとのこと。お茶を飲みながらしばらくの間お話させていただきました。このご住職は、全真言宗青年連盟で一緒に仕事をした仲間です。私よりも少しお若い人ですが、なかなか頭の良い方です。
色々とお話させていただきましたが、私とよく似た人生を送っておられることがわかりました。修行が終わってご自坊に帰られてわずか2ヶ月で先代住職が亡くなられて、若干22歳で住職になられたそうです。右も左もわからない状態で、近隣のお寺のご住職に色々と教わりながら勉強したとのこと。
私も修行が終わって帰ってきて1年少しで先代住職が亡くなり、23歳で住職になりました。法類のお寺のご住職に色々と教わりながら本日まできました。同じような人生を歩んできたということを改めて知り、今まで以上に親近感を持ちました。
ひとそれぞれでお坊さんの場合、早くに住職になる人、遅くに住職になる人・・・それぞれです。それぞれの苦労はあると思いますが、自分の与えられた運命。精一杯生きることでしょうね。

役僧さん、明日から5日間里帰りです。本日のお勤めを終えて荷物をまとめて愛媛県に出発しました。ゆっくりと休養をとってもらいたいと思いますが、今回も色々と用事があってバタバタですと言ってました。しばらくの間一人で頑張らなくてはなりません。気合をいれて頑張るぞ!

■2005/1/25(火) お正月からはじめてのお休みをいただきました
本日一日休みをいただきました。お正月から始めての休暇です。うれし〜〜〜。
というわけで、お寺から離れてボーッとしていました。おかげさまで少しリフレッシュできました。人間ズーッと張り詰めた状態でいるとプッンと切れてしまいますからね。きょうは本当に良かったです。

先日お手伝いいただいた岡山のお坊さんが自坊に帰ったあと体調を崩したとのこと。嘔吐が激しくウィルスが体内に入ったのかな??と言っていました。また、出雲のお坊さんもお手伝いが終わってからすぐに体調を崩して寝込んでいるとのこと。お寺では、役僧さんも体調を崩していますし、お父さんも調子が悪い・・・元気なのは私と家内だけという状態です。
おまつりの時に食べたものに悪いものでもあったのかな??と思うほど、かなり高い確率で嘔吐下痢症状になっている人が多いのです。私・家内・お父さん・お母さん・役僧さん・お手伝いいただいたお坊さん二人の合計7名中5名が体調を崩している。それもほぼ同じ症状で・・・ノロウィルスじゃないでしょうね??・・・

私の風邪の状態も完治したとは言えず、未だに咳が出ます。昔に比べれば病気も相当しつこくなっているように思うし直りにくいです。医学が発達すればそれに比例して病気もパワーアップするとどこかのお医者さんが言われていたように思います。あまり変な病気が流行しないように祈るばかりです。

雨が降ってきました。今夜も寒いのかな・・・風邪をぶり返さないように、今夜は早く休むことにします。

■2005/1/24(月) Tさんのご奉仕
檀務を終えた後お寺に帰ってくると一台のユンボが境内に来て作業をしていました。お寺の信者さんで舗装屋さんのTさんでした。実はお寺にちょっとした竹藪があるのですが、その竹薮にゴミを捨てる不届き者がいてゴミ捨て場と化していました。あまりに汚いので、先日ゴミをすべて引き上げ燃やす作業をしました。もともとちょっとした広場が竹薮の前にあったのですが、掃除をしたお陰で大きな広場ができました。
その数日後、たまたまTさんがお寺にお参りに来られ、世間話のついでにその話をしました。
「お寺にゴミを捨てるとは罰当たりな奴がいるもんですな〜 荒れているからゴミも捨てやすいんですわ。綺麗に整備をしたらゴミも捨てませんやろ。わかりました。暇見て私がご奉仕させてもらいますわ」
そんな会話をしたのがつい先日のことです。
Tさん。早速に土砂をダンプで運んできてユンボで整地して、バラスをひいて見事な駐車場を完成させてくれました。荒れ果てていた竹薮も生き返り、本堂に一番近い駐車場ができ上がりました。約10台弱の車が停めれるスペースです。
ゴミを平気で捨てていく人もあれば、ご奉仕をしていただける人もある。この差は何なんでしょうかね・・・
新駐車場と化した広場は鐘楼堂の東にあり、ここからは西宮のシンボルである“甲山 かぶとやま”が見えます。まだ竹薮はうっそうとしていますで、竹をちょっとづつ整理していって綺麗にしようと考えています。きっと素晴らしい景色が見える絶好の場所となること間違いなしです。
Tさんありがとうございました。

■2005/1/23(日) 毎朝の護摩修行
日曜日ということで法事などの檀務で多忙でした。一日中拝んでいたように思います。ちょっと疲れました・・・

朝のお勤めにて普段は本堂で行法といって瞑想のようなことをしていますが、この頃は護摩堂で護摩を焚いています。最初のうち、毎朝の護摩は少々辛いものがありました。護摩を焚くには準備も必要だし、焚いたあとの後片付けが大変だし、何といっても護摩を焚くのに最低でも2時間弱かかります。前日護摩の準備をして、後片付けも入れて約2時間・・・だけど大分と慣れてきました。後片付けも準備もえらいものでかなり手際よくできるようになりました。
本日で15日間続けて焚きました。最低でも続けて21座は焚こうと思っています。毎日毎日焚いているとその日の火の上がり具合も違うし、色々と感じることがあります。行法も勤行もありがたいけど、毎日護摩を焚くという意義はまた違ったものだと思います。明日も頑張って焚こうと思います。

■2005/1/22(土) 大阪名物 お好み焼き
大祭も無事終わり、やっと忙しい気持ちが落ち着いたように思います。お疲れさまでした・・・
きょうはお寺で法事がありました。西宮に永年住んでおられた方なのですが、ご主人が亡くなられたあと体調を崩され、大津市のご子息のお家で同居されることになり数年前引っ越されました。その後、息子さんご夫婦がお寺にお参りされていました。ご主人の年忌にあたるということで、十年ぶりくらいでしょうか。車椅子に乗ってお寺に来ていただきました。久しぶりにお顔を拝見することができてうれしかった〜・・・思わず握手をしてしまいました。

お参りが終わってお寺を戸締りしたあと大阪に行きました。先日テレビでタレントのトミーズ雅さんが、若かりし頃からよく行っておられるお店の紹介をしておられました。お好み焼き屋さんなのですが、全室個室でお味も抜群と絶賛されていました。是非行ってみたいと思い車を走らせました。大阪・千日前の「はつせ」というお店。テレビの効果なのか、もともと人気のあるお店なのかはわかりませんが、何せすごい行列ができていました。せっかく来たのだから並ぼうということになり、名前を記入して待つこと1時間・・・やっとの思いで個室に案内されました。
雅さん曰く。個室やから何でもやり放題。安いお好み焼きを注文して、イカやら肉やら外で買ってきたものをのせて食べてましたわ〜・・・
そんな悪いことをする人は今時おられないでしょうが、全席個室なので落ち着きます。
で、お味の方ですが・・・
普段から西宮にあるお好み焼き屋の味に慣れてしまっているせいでしょうか・・・“普通のお好み焼き”という感想を持ちました。確かにおいしかったのですが、味ならば西宮にある「来たろう」というお店の方が私は好きですね・・・ごめんなさい。
しかし、個室で食べられるお好み焼き屋さんは、ご家族連れにとってはいいと思います。また行ってみたいと思いました。

ご心配をおかけしていた風邪の方も徐々に回復に向かっています。少し喉がいがらいのですが、あと少しで完治すると思います。今夜も寒くなりそうです。ぶりかえさないように温かくして休むことにします。

■2005/1/21(金) 初大師大祭挙行
初大師大祭が執り行われました。例年通り大根炊きを求めて、大勢の方が参拝していただきました。例年に比べて多くの方が来ていただいたように思います。
心配していた天候も、大変よいお天気に恵まれました。午前11時から執り行われた柴燈大護摩も、大変ありがたいものでした。大勢の方が見守る中、立派な護摩修行を執り行うことができました。護摩が終わったあと、ちょっとしたお話をさせていただき、そのあとお数珠でお加持をさせていただくのですが、これも恒例行事のひとつとなりました。最初のうちはそんなにも並ばれなかったのですが、この頃は結構な数の方が並ばれるようになり、ありがたいことだと思っています。
何はともあれ、無事に大祭が終わってホッとしています。
お手伝いに来ていただいたお坊さんや村の方々もお疲れのことと思います。十分なお礼もできずに恐縮しています。いつもながらのお手伝いに感謝感謝です。この伝統行事を続けていくことは大変なことと思います。しかし、長い長い積み重ねがあってからこその大祭だと思います。できる限り継続していければな〜と思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 合掌

■2005/1/20(木) 大祭準備
檀務などで多忙でした。明日の大祭準備のため、出雲より手伝いのお坊さんが来てくれました。いつもながらに申し訳なく思っています。
本日は「大寒」 昔の人はうまく言ったもので、すごく寒い一日となりました。寒い中、村の奥さん方が明日の準備に来ていただきました。明日は恒例の大根炊きです。大根を洗って、皮を剥いて・・・大変な作業です。いつもながらに恐縮です。

■2005/1/19(水) 門戸厄神大祭
午後2時からの門戸厄神さんの会式にお参りさせていただきました。1月18日・19日は毎年恒例の門戸厄神の厄除け大祭です。昔からこの両日は厄神さんの縁日で賑わいます。1月9日・10日・11日の十日戎に引き続いての西宮の代表的な行事のひとつです。
子供の頃、毎年両親に連れられて厄神さんにお参りに来ました。当時はお参りに行くという感覚はまったくなく、綿菓子やりんご飴を買いに行くというイメージしかありませんでした。ただ、すごい人波に押されながら歩いたことだけを覚えています。しかし、まさか数十年後の自分がお坊さんになって厄除け大祭で拝ませていただくことになっていようとは夢にも思いませんでした。
本日はウィークデーで、天候も曇っていたので例年に比べると人出は少なく感じました。それでもやはり、すごい人ですね。法会終了後、おうどんをいただいて帰路につきました。帰り道に、ベビーカステラとタイヤキを買いました。子供の頃を思い出し、大変懐かしく思いました。

明後日はいよいよ鷲林寺の大祭です。厄神さんまではいかなくても、多くのお参りがあればいいのになと思います。初大師大祭として大根炊きをします。大根炊きは一年間の無病息災を祈って、地元の方々が心を込めて炊いていただいたものを、心を込めて祈願します。ホクホクしておいしいとの評判です。是非食べにいらしてくださいね。明日は“大寒”です。今夜は寒くなりそうです。風邪をぶり返さないように気をつけて休むことにします。

■2005/1/18(火) ガレージの掃除をしました
朝にお参りに一件行かせていただいたのみで本日の檀務は終了。前々から気になっていたガレージの掃除をしました。夕方までかかりましたが、とても綺麗になりました。
掃除はある程度思いっきりが必要です。これ捨てようかな・・・いやいや捨てるのはいつでもできるから次回にしよう・・・なんて思いながら数年間。そんなゴミが溜まりに溜まってひどい状態でした。きょうは思い切って捨てました。結局全部いらないものばかりでした。
ガレージってこんなに広かったかしら・・・?? 久しぶりに広々したガレージでゆっくりと休んでくださいね。車さん・・・

昨日に引き続いて神戸では国連防災世界会議が開かれました。この会議で天皇陛下がお言葉を述べられている様子をテレビで見ました。昨日も震災10年目を迎えた神戸の地に立たれて式典に参加していただき、17日の夜は神戸にお泊りになられたことを知りました。天皇皇后両陛下には震災当時も足を運んでいただいて被災者を励ましていただきました。
何とお優しい方々なんだろうと感激しました。きっと神戸の人々は天皇皇后両陛下のお姿を拝し、決意新たに心を引き締められたと思います。ありがとうございました。

■2005/1/17(月) 震災から10年
午前5時46分。雨の降りしきる中、鐘楼の鐘を撞きました。あのとき、午前6時の鐘を撞くため、ベッドから起きかけたときでした。あと10分地震が遅れて発生していたならば、確実に倒壊した鐘楼堂の下敷きになって圧死していたことでしょう。生と死は背中合わせ。倒れてきた柱が箪笥にひっかかって、わすが数十センチの空間に生命を拾った人。あと数十センチ左右どちらかにずれて寝ていたら、柱の直撃を受けず、生命を落とさずに済んだ人。生と死・・・誰が決めたのでしょうか??
犠牲となられた方は6433名。未曾有とも言われた阪神淡路大震災。せっかくいただいた生命を世のため人のために使わせていただこうと思って手を合わせたあの頃。生きていただけで満足。何もぜいたくは言うまいと誓ったあの頃。10年経った今、あの頃のことを思い出すとお恥ずかしい限りです。色々なことを思いながらきょう一日を過ごしました。
檀家さんの中にも犠牲となられた方がたくさんおられました。各お家にお参りに行かせていただき、ねんごろに回向をさせていただきました。長男さんとご両親をなくされたご夫婦は毎年、三宮・東公園で行われる追悼式に午前5時46分にお参りに行かれます。今年は雨が降る中、例年よりも数多くの方がお参りされていたそうです。それも若い年齢層の方が多かったということです。震災に関して若い年齢層の方がまじめに考えていただけるようになったことに対して、何よりもの供養になりますとお母さんは目頭を押さえておられました。

昨日から震災特集がテレビで放映されています。燃え盛る神戸の街並み・・・私にとってあのシーンは決して忘れられならないものでありますし、一生涯背負って生きていかなくてはならない場面でしょう。しかし、何度も何度も流されるのも如何なものかとも思いました。阪神淡路大震災が私たち人間に「防災」という意識を目覚めさせた大きなきっかけのひとつとなったことは間違いないと思います。そういった呼びかけは大切なこととは思いますが、毎度毎度、燃え盛る神戸の街並みを見るのは辛いです・・・

今からもう一度本堂に入ってなくなられた方々のご冥福を祈りたいと思います。10年という節目にあたって、
「もう10年か・・・だけどまだ10年・・・」
そんな思いをしております。   合掌

■2005/1/16(日) ほんとにしつこい風邪です
体調は昨日に比べてましになりました。とはいうものの、完治したわけではなく昨日にくらべて少しましな状態になったという程度です。何せ今回の風邪は長い・・・なかなか治りません。咳も昨日に比べて出にくくなりました。が一端出だしたら死ぬかと思うほどしつこいです。一端咳が出だすと息を吸うことができません。
「コンコンコンコンコンコンコンコン・・・・・・」
このまま死んでしまうのかと思うほどです。
喉と胸の間に何かがひそんでいる感じです。つらいです・・・

そんな中、本日はお葬式がありました。昨日のお通夜にくらべて体調は回復していました。が、一端出だしたら止まらない咳を敬遠しながらのお勤めとなりました。幸いひどく咳きこむことはなく、無事にお勤めさせていただけてホッとしました。お世話くださる方が昨日のお通夜の状態を見て、気遣ってくださったのでしょう。読経中にコップ一杯の水をそっと差し出していただいたのがありがたかったです。

北海道から弟弟子が来てくれました。新年のご挨拶に・・・ということでしたが、遠方よりありがたいことです。一緒に食事をして色々と語りました。明日、北海道に帰るとのこと。北海道はさぞ寒いことでしょう。気をつけて帰ってください。

明日、阪神淡路大震災から10年目を迎えます。各局では特番を組んで放映しています。その映像を見ていると複雑な気持ちになってしまいます。10年か・・・色々なシーンを思い出しますね・・・

■2005/1/15(土) しつこいな〜
体調絶不調・・・咳はでるし喉は痛いしフラフラするし・・・今回の風邪はなかなか治らないと聞きましたが本当にその通りです。いつもの風邪ならば、もう完治してバリバリなのに・・・風邪をひいたかな??と思ってからもはや8日目です。未だにひどい状態です。
にもかかわらず、きょうは土曜日ということもあって、法事をはじめ檀務が多忙でした。お経がうまくお唱えできない・・・ご先祖さま・・・すみません・・・と心の中でつぶやきながら一生懸命お勤めします。しかし、線香の煙が喉にひっかかって咳き込んでしまいます。きょうもお経を唱えている時間よりも、咳き込んでいる時間の方が長かったのではないでしょうか??

最悪だったのはお通夜でした。檀家さんのご主人がお亡くなりになってお通夜に出かけました。何とか夕刻までに声が出るようにしておかなければと思いましたが、焦れば焦るほど皮肉なことに出にくくなるものです。おまけに出なくてもいい咳がゴホンゴホンと・・・だけど、このような状態でも一生懸命心を込めてお勤めさせていただきました。
「ごめんなさいね・・・こんな声で・・・」
そうつぶやきながら遺影を見ると
「いいよ、いいよ」
とニッコリと笑っていただいたように思いました。
明日はお葬式となります。体調を整えて、しっかりとお勤めさせていただこうと思います。合 掌

■2005/1/14(金) タロとジロの日
風邪は少しましになったように思います。たくさんの方からお見舞いのメールなどをいただき恐縮しています。ありがとうございました。

檀家さんのお参りに行こうと思い車に乗り込みエンジンをかけました。車にはナビゲーションがついており作動するとまず
「きょうは○月○日○曜日。○○の日です」
と教えてくれます。それによると、きょうは
「タロとジロの日」だそうです。
タロとジロといえば映画「南極物語」で有名になった兄弟犬です。1958年に南極観測のため観測船「宗谷」が南極へ渡りましたが、第2次越冬隊が到着したとき、天候の悪化で「宗谷」は氷海に閉じこめられる危険にさらされました。越冬を断念して、15頭の犬を昭和基地に残したまま南極を離れることになってしまったのです。その後、犬を迎えに飛んだ航空機は非常用の燃料や食料の一部もおろして、子犬ら数匹を連れ帰ったのですが、氷海を抜け出してからもう一度、飛ぼうとしましたが、しけてどうしようもできず、数頭の犬を置き去りにして帰国せざる終えない状態におちいったのです。そして一年後、再び南極に行ったとき、厳しい南極の冬を越して生きていたタロ・ジロの兄弟犬との奇跡的な再会をするのです。その再会の日が1959年1月14日であったということです。私も映画「南極物語」を観て感動して涙が止まらなかったことを思い出します。

鷲林寺にもタロという秋田犬がいます。このタロもなかなか忠実な賢い犬です。鷲林寺は山寺のため用心が悪く、たまにタロを夜間に離しています。といっても別に悪いことをするわけでもなく夜は鎖が離れていても自分の寝床で休んでいるようです。不審者が侵入してきたら“ワンワン”とほえています。そのタロですが、特に賢いな〜と思うことがあります。毎朝護摩を焚いているのですが、私が護摩堂に入る頃、そっとお堂の外にやってきて護摩が終わるまでじっと座って待っているのです。拝んでいて後ろに人が立たれると、人の気配を感じるものです。誰が後ろで座っているのかな??と思い護摩が終わって後ろを向くとチョコンとタロが座っているのです。
「お前も一緒に拝んでいたのか??」
思わず抱きしめてやりました。夜間に離しているときは必ず座って待っています。信仰心のある偉い犬だと思いませんか?

■2005/1/13(木) ついに・・・
風邪が悪化してきました。症候状態が続いていたのでこのまま直ってくれるものと願っていましたが、今朝起きると喉が痛い・・・声が別人のようになっている・・・役僧さんに朝一番
「おはよう」
と言うと
「どうしたんですか?? その声・・・」
「えっ?? そんなにひどい???」
おまけに咳が止まりません・・・
この季節の風邪はしつこいと聞きます。大変なことになってしまいました(泣)
友人に電話をすると変によそよそしい対応です。私ということがわからないほど悪声になっているとのことです。また、お参りに行かせて頂くと、線香の煙がつらい・・・お経を唱えている時間よりも咳き込んでいる時間の方が長いという始末。申し訳ない・・・
本日お参りさせていただいた檀家さんの中にお医者さんがおられました。お勤めが終わってのちのお話は、この悪声の話題から今流行している「ノロウィルス」の話題になりました。結構おられるそうです。「ノロウィルス」に感染している可能性の高い患者さん・・・「ノロウィルス」だと証明はされていないらしいのですが、その症状がそのものだと。去年の暮れから流行していて、特に子供さんやお年寄りは気をつけないといけないとおっしゃってました。公表されていないだけで恐ろしいウィルスがあちらこちらで流行しているのかもしれません。皆さん、気をつけましょうね。

段々声が出にくくなってきました。これ以上悪化しないようにきょうは早めに休むことにします。おやすみなさい・・・

■2005/1/12(水) 実家に新年の挨拶に行きました
役僧さんお正月からはじめてのお休みでした。お正月は何かとバタバタしてましたのでなかなか休みがとれなくて、しんどい思いをさせてしまいました。申し訳ない・・・
ということで、本日はひとりで檀家さんのお参りやご祈祷をしました。お寺への参拝は、寒かったせいかあまりなかったのでかえって助かりました。何とか一人でこなすことができました。

夕方から私の実家に行きました。私は在家の出身です。鷲林寺の先代住職は母の父、すなわち祖父であり、私は外孫になります。仏縁あって在家ではありましたが先代住職の跡を継ぐことになり高野山大学にすすみました。大学を卒業後帰ってまいりましたのが昭和57年3月でした。先代住職とともに過ごし、色々と教えていただかなくてはならなかったのにもかかわらず、昭和58年10月28日に先代住職は遷化されました。私が若干23才のときでした。
父は西宮市役所勤務のサラリーマンでしたので、一代とんで私が住職になったということです。大学出たてのホヤホヤが住職という重責につくわけですから両親はもちろんのこと檀信徒の皆さんもさぞ不安であったことと思います。皆さんに支えていただきながら本日までくることができました。
何だか何かの挨拶みたいになってしまいましたが、私の両親はそういったことでお寺とは別に暮らしているのです。お正月は両親共にお寺に来てくれていましたが、こちらから新年の挨拶に行くのは今年になってはじめてのこと。風邪をひいたり都合があわなかったりで遅くなってしまいました。
寿司と母お手製のサラダをいただきました。子供の頃のことを語りながらしばらくの気を使わない時間を過ごすことができ、命の洗濯をすることができました。
父は今年72才。母は70才になります。健康に注意をして益々元気で暮らしてほしいと願い、帰路につきました。

■2005/1/11(火) 好きになること
「どうも左腕が痛くてクラブがうまく降りぬけませんね・・・だけど腕の痛みなんか何のその。今年で81才になりますけど、まだまだ若い人には負けませんよ」
えっ、81才??
きょうお参りに行かせて頂いたお家のご主人のお話です。背筋はピンと伸ばしておられるし、いつもダンディーだし。とても81才には見えません。へたをすれば60代後半に見えます。ゴルフが大好きで、今年はまだ2回しか行ってない(えっ??)そうです。ゴルフばかりをされているのではなく、ちゃんと仕事もされています。好きなことを、特に体を動かすことを続けておられるとお元気なんだなぁと感心しました。
何でもそうだと思いますが、まずは好きになることが大切です。私も高野山で修行中、師匠から習うお経の練習時間が嫌で仕方ありませんでした。暗い本堂に座らされて、師匠と向き合って教わるのですが、最初からなかなかうまくいくものではありません。よくどなられたし、叩かれました。(これは暴力ではなく、愛のむちです)叱られっぱなしの日々が続いた中数ヶ月経ったある日、師匠からうまくなったとほめられたのです。そのひとことがうれしくてうれしくて仕方ありませんでした。それからです。嫌で嫌で仕方なかったお経が大好きになったのです。好きになればメキメキ上達するものです。師匠からそのようなお言葉を頂いたことを思い出します。
嫌いなものが好きになることは何かのきっかけが必要と思います。私はよい師匠にめぐり合うことができたので幸せ者だと感謝しています。まず、好きになること。大切なことですよね。

■2005/1/10(月) 成人式に思うこと
風邪悪化してきたようです。しかし、きょうは成人の日で祝日。法事などがあって多忙のため休めません・・・それでも、お参りさせていただいていたら風邪のことも忘れて徐々に元気になってきました。
夕方にはすっかり元気を取り戻したので、頑張って「十日戎」にお参りに行きました。昨年も行きましたが、さすがにすごい人でした。人の波に押されながらの参拝は
「えべっさんやな〜」
と実感します。
えべっさんの境内には屋台が所狭しと軒を連ねています。いつも買う定番はベビーカステラとリンゴ飴。今年ももちろん買いましたが、今年はちょっと冒険してみようということになっておでんやに入りました。おでん・いかやき・たこやき・お好み焼き・・・色々と注文したら何とお会計が9400円でした。高い・・・(汗) まあ、お祭りだから仕方ないか・・・ということで、生まれて初めてえべっさんの屋台のおでんやに入りました。

きょうは成人式。毎年成人式では若者が暴れたというニュースが流れます。嘆かわしいことだと思っておりましたが、今年は感動するニュースが流れました。明石市の成人式でしょうか。
阪神淡路大震災で大変な目に遭った私たちが本日無事に成人式をむかえられたのは皆さまのお陰です。大人になった今、新潟中越地震やスリランカなどで被災された方々のお役に少しでもなればと考え、募金をしています。お世話になった恩返しです。
このニュースを見て目頭があつくなりました。この頃の若い者は・・・とよく耳にする昨今、いいお話じゃないですか。日本も捨てたものではありませんよね。

大好きだった小森のおばちゃまがなくなられたとのこと。心からご冥福をお祈り申し上げます。

■2005/1/9(日) 自然動物の持つ不思議な能力
本日より十日戎です。西宮には大阪の「今宮えびす」と並んで「西宮えびす」があります。日曜日にて法事などで多忙だったのですが、道路がすごく混んでいました。何故?? そうか、きょうから「えべっさん」だ・・・手に笹を持った人が大勢歩いてました。
毎年十日戎にはお参りに行くのですが、きょうは風邪気味のため見合わせました。明日調子が良かったらお参りに行こうと思っています。

本日は法事などがたくさんあり、また日曜日ということもあってかお寺への参拝者も多く、一日中多忙でした。お参りの先でのお話は“津波”についてがほとんどで、まだ行方不明の方が大勢おられることについて胸が痛むという内容でした。
そんな中でこんなお話を聞きました。それは、不思議なことにあれだけ多くの人が津波の犠牲になっておられるのに対し、自然の動物はほとんど犠牲になっているものがないということです。スリランカにヤラという自然動物保護地域があります。ここはスリランの最南端に位置して、この度の津波で大きな被害を被った場所です。ここには自然の動物がたくさんいますが、津波によって犠牲になった動物の死骸が見つからないそうです。また普段はたくさんの動物を見ることができるのに、津波のあとも一頭も見当たらないそうです。おそらく地震による津波を察知してどこかに逃げたのだろうと言われています。
またスリランカには飼いならされた象がたくさんいて、人を背中に乗せて散歩するサービスがあります。ある象が急におびえ出し、客を乗せたまま山の方に逃げていったそうです。その直後津波が来て、象に乗っていた客は命拾いしたという話もあるそうです。
阪神淡路大震災のときも同じような現象があったことを思い出します。地震がおこる前に野良犬が団体で大阪方面に逃げていったり、カラスがガーガーと泣き叫びながら団体でどこかへ飛んでいきました。また、配水管の中をねずみが必死でもがいていたという話も聞きました。

恐らく自然動物には、自然災害を察知する何らかの能力が備わっているのでしょうね。しかし、どうも飼い犬や飼い猫はその能力が退化しているようですが・・・(残念)

■2005/1/8(土) 風邪??
風邪気味です。少々喉が痛くなってきました。インフルエンザの予防接種打ったのに・・・(涙)
悪化しないようにきょうは早く休みます。

■2005/1/7(金) 成田山お手伝い 最終日
昨日お通夜をした方のお葬式がありました。人格者であった方なので、さすがに大勢のお見送りでした。教育界で活躍された方で惜しまれてのお葬式。哀しいお葬式でした。

お葬式終了後、成田山のお手伝い三日目に行かせていただました。きょうでお手伝いも終わりです。十分なお手伝いもできずに心苦しく思います。それでも成田山のご家族は、いつも大事に迎えていただけます。ありがたいことだと感謝しております。

お正月気分も抜けて、ボチボチと普段通りの生活に戻ってきました。明日から普段のお参りが始まります。気合を入れなおして頑張りましょう!

■2005/1/6(木) 成田山お手伝い 二日目
本日も成田山のお手伝いに出かけました。朝から護摩一座・午後から一座。二座の護摩をつとめました。成田山のお不動さんはありがたいですね〜大勢の方が拝んでおられるからか、護摩を焚いていてもズーンと感じるものがあるように思います。特に午前中の護摩はありがたく感じました。きょうは午後から雨になりました。さすがに雨が降るとお参りの数も激減します。
護摩が終わって一件お参りに行かせていただきました。年末に檀家になりたいと申し込まれたお家です。ありがたいことだと感謝しております。そのお家のあとはお通夜・・・今時ならば75才といえば若いですよね。まだまだこれから人生を楽しまなければならないのに、残念でした。明日はお葬式となります。心を込めて一生懸命拝ませていただきます。合 掌

津波で被害にあわれた各国に対し、たくさんのお見舞い金が集まっています。その中でもトップを切って動きを見せた日本政府には感動しました。日本の影響を受けて、各国が動いてくれたこともあるのではないかと思います。阪神淡路大震災のときに感じたことは「いかに初動が大切か」ということです。現地に行かれている方々も大変なことと思いますが、気をつけていただきたいと願います。私は、現地に行くことができませんが何らかの形で協力させていただきたいと思っています。まだ行方不明の方が大勢おられるとのこと・・・ご家族の心中をおもうと胸が痛みます。一刻も早く見つかることを願ってやみません。

■2005/1/5(水) 成田山のお手伝い
法類寺院 西宮成田山のお手伝いに行かせていただきました。交通安全の祈祷所で、毎年大勢の参拝者でにぎわいます。毎年、ご本尊 成田の不動尊のご供養にということで護摩を焚かせていただきに行っております。大勢のお参りなのでお坊さんもたくさんおられ、私のような者まで呼んでいただくこともないのでしょうが、ご住職のご配慮で毎年行かせて頂いております。ありがたいことだと感謝しております。
さて、本日は初出の会社が多くあったようでたくさんのお参りの方でごったがえしておりました。いつもながらに、お参りの多さには驚いてしまいます。一生懸命護摩を焚かせていただきました。

新聞を読んでいると、初詣を狙って偽一万円札が各神社仏閣で発見されたとのこと。ばちあたりというか、風情というか、何とも恐ろしい世の中になったものです。

■2005/1/4(火) 悲しい法事
月参りをしてほしいというお家と法事が一件ありました。法事のお家は昨年ご子息が若くしてお亡くなりになった方でした。
「うちはお正月も関係ありませんから・・・」
辛い言葉でした。世間はお正月気分でうかれているのですが、寿命短く逝ってしまわれた息子さんのことを思うとそれどころではないと思いました。一生懸命にお参りさせていただきました。

夕刻に檀家さんから電話。ご主人が亡くなられたとのこと。先日お参りさせていただいたときは元気そうにされていたのに・・・持病が急変して悪化したそうです。合掌

明日から法類のお寺のお手伝いで護摩焚きに行かせていただきます。今夜はまたチラチラ白いものがふっています。積もらなければいいのですが・・・

■2005/1/3(月) あまり知られていないこと
三が日の中で一番お参りの人が多かったのではないでしょうか。早朝より参拝者が来られ、夕方まで人が切れることはありませんでした。ご祈祷を申込される方も結構あってありがたかったです。
鷲林寺のご本尊・十一面観音さまは古来より「喉の病平癒の観音さん」・特に喘息封じの観音さんとして知られています。喘息のご祈祷を受けに来られる方はたくさんおられるのですが、あまり知られていないことがもうひとつあります。それは「えんむすび」です。

鷲林寺にお参りする参道には「夫婦池」「夫婦岩」「夫婦橋」と3つの「夫婦」があります。昔から鷲林寺に詣でる途中で、これらの「夫婦」に「えんむすび」を祈ったといわれています。また鷲林寺に伝わる「鷲不動明王」は普通の不動明王と少し形が違います。普通の不動明王は背中に火炎を燃やしておられ、その火炎の中にカルラといわれる鳥を飛ばしているお像となります。ところが鷲林寺の不動明王は、カルラの変わりに鷲を飛ばしています。鷲林寺の古事にならって鷲不動明王としたのでしょうが、かなり古い仏像なので昔から拝まれていた仏さまには違いありません。鷲は古来から「えんむすびの鳥獣」といわれています。「夫婦池」「夫婦岩」「夫婦橋」の3つの夫婦と「鷲不動明王」。えんむすびのお寺として古来から信仰されていたようです。

実はこのお話は。あるお坊さんから教えていただきました。そんな話始めて聞きますと答えると、村の人に聞いてみろということでした。村の古老に聞くと、聞いたことがあるという人。へ〜と感心される人。様々でしたが、3つの夫婦に関しては昔からそういう伝説になっているとのことでした。また、鷲林寺を縁として結ばれた夫婦も大勢おられ、まんざら嘘ではないということで今年のお正月から「えんむすび」のご祈祷をさせていただきました。
ご縁のない人・ある人・・・様々ですが、皆さんが幸せであられるように一心に拝ませていただきました。

本日で三が日が終わり、アルバイトのお坊さんは自坊に帰られました。準備からあわせて5日間。思わぬ雪の到来で余計な仕事をさせてしまい申し訳なく思っています。また来年もよろしくお願いいたします。明日からは平常どおり、役僧さんと二人になります。さあ、気合を入れなおして頑張りましょう!

■2005/1/2(日) 雪は少しとけましたが・・・
まだ雪が残っています。お参りされる方は白銀の世界にびっくりされます。所要でお寺のすぐ下まで行きましたが雪はまったくない状態。お寺の境内だけが別世界です。よいお天気だったので道路上の雪は少しとけ、昨日のようなひどい状態は解消されノーマルタイヤでなんとかお寺まで入ってこれるようにはなりました。
本日は初詣の方が大勢来られました。きのう近くまで来たのですが、すごい雪だったので諦めて帰り今日来ました。そんな方が大勢おられました。ありがたいことだと思います。昨日よりもお参りの数は多かったように思います。

お寺を閉めた後アルバイトのお坊さんたちを連れて、新しくオープンした温泉に行きました。西宮市鳴尾にできた「熊野の郷」という温泉です。えっ??こんなところに??といった場所でした。お正月というのに大勢の人が来られていました。数年前はお正月の2日に開いているお店などはほとんどなかったように思います。しかし最近は、温泉のみならずほとんどのお店が開いています。これも時代でしょうか・・・
温泉は大変よい塩梅でした。ゆっくりと温かいお湯につかって疲れをとりました。明日も初詣の方が多く参拝されると思います。頑張って乗り切ろうと思います。

■2005/1/1(土) 新年明けましておめでとうございます
新しい年が始まりました。昨年は「災」の年でしたが、今年は「福」の年になるようにお祈り申し上げます。考えようによっては「おみくじ」でも「大吉」よりも「凶」を好む人もあるように、頂点に立ってしまうと先がないけど、どん底だったら上がっていける楽しみがあると。前進あるのみ!頑張っていきましょう!
さて本年度の除夜の鐘ですが、想像もしていなかった大雪に見舞われて、お参りの方もパラパラ状態。来ていただいた方に聞くと、道路上に残っている雪がアイスバーン状態になっていて車が登れないとのこと。途中まで来て断念して引き返す車がほとんどということでした。
お正月の準備をしながら雪かきをしたのですが、一端とけた雪が、夜になって冷え込んだためアイスバーンになったのですね。最悪の状態です・・・鐘撞き始まって以来の少人数でした。それでも2周弱したとのこと・・・ありがたいことです。お参りに来ていただいた方々は、参道途中に車を停めて滑りながら歩いて来ていただいたわけです。申し訳ない気持ちで一杯でした。
私は例年通り一発目の鐘を撞いて祈祷をしにお堂に入りました。ご祈祷をしていると急に電気が消えました。ご祈祷を途中でやめるわけにもいかず、ろうそくの光だけを頼りに拝みました。拝み終えてうしろを向くと、なんと境内全域が停電状態・・・お参りの方々は携帯電話から発するかすかな光を頼りにお参りされています。苦情こそありませんでしたが、ダブルで申し訳ない気持ちで一杯になりました。関西電力に電話して復旧していただいたのが午前4時。それから仮眠をとって午前6時から始動しました。眠たい〜・・・

日中になっても気温は上がらず、道路はアイスバーン状態のままでした。よって途中で引き返す人がほとんどで例年に比べると寂しいお正月となりました。寺務所もそう忙しくもなく、お坊さん一人で対処できる程度であったため、逆に仏さまをよく拝むことができました。考えようによっては正月早々大変だったけど、結果としてはよく拝むことができたのだからよかったということですね。

社会情勢も片付けていかなければならない問題が山積みです。焦らず、しかし機敏に対処しながらひとつひとつ前に進んでいきましょう。私たちができることから始めていきましょう。だって自分たちみんなの社会だし、みんなの地球なのですから・・・

本年もよろしくお願いいたします。合 掌